諦めていた恋の続きを始めます
再会
島で働き始めると、設備の整った病院しか知らなかったまどかには勉強になることばかりだった。
様々な症状を訴える患者をひとりで診ているから、穴吹医師は臨床経験が豊富だ。
穴吹から得るものは多くあったし、島の医療の将来についてもよく話し合った。
「まどか君は熱心だね。とても頑張り屋さんだと思うよ」
穴吹はいつもまどかをほめてくれる。
東京の病院にいたころは仕事は出来て当たり前だったから、面映ゆくなってくる。
「この診療所を閉じたら、島の皆さんはお困りですね」
島民の健康については、穴吹にとって頭痛の種だった。
「このままの形で引き受けてくれる医師を探しているんだがね」
穴吹夫妻はあちこち声をかけているらしいが、代わりの医師を募集してもなかなか名乗り出てくれる人は見つからないようだ。
周囲の島の状況も似たようなものだ。
大きな島なら病院があるが、病院どころか診療所だってない島もある。
もし診療所があったとしても、週に一日しか医師が来ないところもあるのだ。
そんな不便さを補って島民の健康を守るために、診療船と呼ばれる船が定期的に島々の間を運航している。