諦めていた恋の続きを始めます
悠真③




まどかを探すのが中途半端になったまま、悠真は東京を離れた。

勤め始めた病院は、四国の玄関口ともいえる比較的大きな街にあった。
港にそばには近代的なオフィスビルが立ち並ぶし、歴史のある場所だから観光客も多い。
街から少し離れると豊かな自然もあるし、食べ物もおいしい。

さすがに精神的に参っていたが、環境を変えたことは正解だったようだ。
悠真は久しぶりに肩の力が抜けた気がした。

まどかと過ごした夜から、そろそろ一年が経つ。
あの日は避妊のことを考えていなかった。
妊娠していたらと思うと、気が気ではない。

(まどか、どこにいるんだ)

まどかのことだ。妊娠を誰にも言えず、ひとりで苦労しているかもしれない。
もし出産していたらと思うだけで焦りが募る。

そんな悠真の前に、いきなり会いたかった人が現れた。
瀬戸内の島から島へ移動する診療船での診察を担当したら、患者に付き添っていた看護師がまどかだったのだ。

まさかこんな場所で再会するとは思ってもいなかった。
まさか瀬戸内の小さな島で看護師をしているなんて想像もしていなかった。
だが、その選択自体はまどからしい気がした。

悠真はやっと会えてうれしかったが、まどかは戸惑っているようだった。
あの夜のようなことにはなるまいと、心の中で抗っているようにも感じる。

あの夜のまどかは、和也との破局で心に傷を負っていた。
すっかり自信を無くしていたし、結婚という目標を失って途方に暮れていた。

まどかは自分を取り戻すために、島で働いている気がした。





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