諦めていた恋の続きを始めます
偽装婚約?
ぼんやりした意識の中で、まどかは話し声が聞こえる気がした。
怒りを抑えたような、それでいて愁いを含んでいる声。懐かしくて、どこか悲しいそのトーンになぜか心が震えた。
(ここは……)
いつもよりふんわりとした寝心地に、違和感を感じる。
(あ、そうだった)
昨日は種村の病状が安定するまで病院にいたので、島に帰れなくなってしまった。
どうしようかと困っていたら、悠真が声をかけてくれたのだ。
恥ずかしいことに、悠真の膝に横たえられてすぐ眠ってしまったらしい。
そのまま寝室のベッドまで運ばれていたようだ。
(ここまで悠真さんが運んでくれた?)
頭の中はパニックだ。
焦ったことで、意識がはっきりしてくる。まどかは慌ててベッドから起き上がった。
(悠真さんのベッドを占領してしまうなんて)
スマートフォンで時刻を見たら、まだ早朝だった。
短時間でも深く眠れたからか、疲れはさほど感じない。