諦めていた恋の続きを始めます


沙織は義理の弟となった悠真を頼りにしているのか、東京へ連れて帰ろうと必死だった。

悠真と兄、兄の妻になった沙織、兄夫婦と悠真の関係は、思っていた以上に複雑なのかもしれない。

「兄と結婚したころは、沙織の父親は医師会や政界に顔が利く人だった。だが今は、汚職事件の渦中にある」

かなり話題になったニュースだが、まさかその人物が沙織の父だとまでは知らなかった。

「そうだったんですね」

夫は病に倒れてしまい、実家の父もかつての権力を失っている。
沙織の立場で考えれば、とてもつらいことだと理解はできる。

「沙織は次期院長の妻になりたかったんだ。だから自分の立場を守ろうと必死になっている」

沙織はとても不安なのだろう。昨日の様子からもうかがえる。
でもまどかには、それと悠真を連れ戻そうとしていることが繋がるとは思えない。

「あの、ご家族のことを私なんかが聞いてしまっていいのですか」

周防家の内情を知ってしまった。これ以上はよくないと思い、まどかは口を挟んだ。

「まどかには知っておいてもらいたい」

「でも」
「俺にはまどかが必要なんだ」

必要だと言われたので、まどかは黙って聞くことにした。







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