諦めていた恋の続きを始めます
「ここだ。母の趣味で建てた家だから気にしないで」
屋敷は高い塀に囲まれていて、とても広い敷地があるようだ。
「は、はい」
大きな門は閉まっていたのでどこから入るのかと思っていたら、悠真の操作で鉄製の門扉が大きく開いた。
広々とした芝生の中央にレンガ道がある。どうやら車はそこを通るらしい。
「大きなお屋敷ですね」
「祖父がここを購入した頃は、この辺りの開発が始まったばかりだった。土地も今と違って安かったんだろう」
露悪的で、あまりにも素っ気ない言い方だ。どんな豪邸だとしても、悠真が愛着を持っていないのがはっきりと伝わってきた。
車は玄関横に止められた。
アメリカのドラマに出てくるような、玄関ポーチを挟んで左右対称の白亜の屋敷だ。
あまり目にしたことがない外観は、悠真が言っていた「母の趣味」なのだろう。
車から降りると、いっそう建物の大きさがわかった。
両親と兄夫婦が同居していると聞いてはいたが、豪奢な建物を前にしてまどかの足はすくんでしまった。
悠真が玄関のベルを鳴らすと、彫刻が施された玄関の戸が開かれた。
「お帰りなさいませ」
白いエプロンをつけた家政婦らしい中年の女性が出迎えてくれる。