諦めていた恋の続きを始めます


「起こしてくれたらよかったのに」

寝顔を見られたかと思うと、頬が少し熱い気もする。
照れくささを誤魔化したくて、つい甘えた口調になってしまった。

「まどか」

「はい」

しばらく沈黙が続いた。
そういえば周防家を出る時に「話がある」と言われたのを思い出す。

悠真の瞳は、何か言いたげだ。
まどかは悠真の言葉を待っているだけで、胸が高鳴ってきた。

「また、連絡する」

事務的な言葉をだった。

「おやすみなさい」

車から降りようとしたら、悠真の声が聞こえた。

「俺を信じてくれ」
「え?」

空耳だっただろうか。
すぐに車は走り去ってしまった。

「悠真さん」

なんだか切なくなって、名前を呼んでみた。

信じろと言われた気がしたが、それが何に対してなのかはわからない。
周防家か、悠真自身か、それともほかに心配事でもあるのだろうか。

真大が回復するまでと言っても、具体的な日数は未知数だ。
すぐに元気になるかもしれないが、誰にも答えは出せない期間になりそうだ。

まどかは一日でも長く、悠真のそばにいたかった。

< 136 / 173 >

この作品をシェア

pagetop