諦めていた恋の続きを始めます
出口が見えない
週が明けて、悠真は今日から周防総合病院での勤務が始まる。
それでも大石家に迎えに来ると言われたが、まどかは断った。
着替えや化粧品といった少しばかりの荷物を持って、電車に乗る方を選んだ。
周防家に着くと、この前のように家政婦が迎えてくれた。どうやら栄子は出かけていて、留守のようだ。
「こちらをお使いください」
家政婦が案内してくれたのは真大夫婦の住む棟の一階で、玄関の近くにある客間だった。
「ありがとうございます」
家具は揃っているし、ゆったりしたバスルームもある。
真大が回復するまでとはいえ、島でのひとり暮らしとは雲泥の差だ。
クローゼットに荷物を入れると、時間を持て余す。
いつも体を動かしていたから、じっとしている方が落ち着かない。
「まどかの好きにしていい」と悠真から言われているが、何をすればいいのか浮かんでこなかった。
念のため、退院した真大が過ごす部屋を確認することにした。
一階の奥にあるサンルーム付きの部屋だから、明るいし温かそうだ。
病室をこの部屋にしたのは真大の希望らしいが、夫婦の寝室とは別になる。
何部屋もベッドルームのある屋敷とはいえ、家庭内別居のようにも感じられた。
「夫婦なのにいいのだろうか」と思うのは、この屋敷ではまどかだけのようだ。