諦めていた恋の続きを始めます




すぐに用意されていた部屋に案内して、着替えてから横になってもらう。

「失礼しますね」

本人の希望とはいえ、予定より早い退院だから細かい体調のチェックは欠かせない。
もしかしたら「自己管理できる」と言って、まどかが触れるのを拒否されるかと思ったが真大はされるがままだ。

ぼんやりとしたまま、天井を見つめている。

(もしかして、気力がない?)

どこか遠くを見つめているような視線。
まどかや家政婦が何を尋ねても、機械的な返事しか返ってこない。
欲しいもの、して欲しいこと、すべてがあいまいだ。

「微熱がありますね。痛みはありませんか?」

「大丈夫」

「では、何か飲まれますか?」
「別に」

「少しお水を飲んでみましょうか。すぐお持ちしますね」

術後だからトイレを気にして、あまり水分を取りたくないのだろう。
遠慮しないで欲しいのにと思いつつ、まどかはキッチンに向かった。









< 140 / 173 >

この作品をシェア

pagetop