諦めていた恋の続きを始めます
「胸や背中に痛みはありませんか?」
医師としての声は冷静で、落ち着いたものだ。まどかの顔を見た瞬間以外、周防の様子に変化は見られない。
まどかも看護師として付き添っているのだから、仕事に集中しなくてはと深く息を吸い込んだ。
「ないです」
「息苦しくなったりしませんか」
「ないです」
なかなか症状を話せない種村の代わりに、まどかが説明する。
「近頃、血圧が上昇して薬でのコントロールが難しくなっています」
そうかというようにうなずくと、丁寧に心音を聞くなど一連の診察を続けていく。
「今日は追加の検査をしましょう。心臓の超音波検査も受けてください」
「痛くないですよね」
「大丈夫。すぐに終わりますよ」
種村に優しく声をかけている様子を見ると、まどかとの再会はチョッと驚いたくらいのことだったのだろう。
種村を支えながら、まどかは一礼して診察室を出た。