諦めていた恋の続きを始めます



悠真は晴れ晴れとした表情をしているが、まどかの気持ちは複雑だった。
飛びあがりたいほどのうれしさと、まだ信じられない気持ちが混ざっている。

だが、その想いを顔に出すわけにはいかない。
このパーティーは、悠真の今後の立場を示すための会だからだ。

心臓外科医として将来を期待されていた真大だけでなく、周防総合病院には悠真もいる。

後継者は決まっていないが、優秀な医師がふたりもいて病院は安泰だと職員たちに思ってもらわなくてはいけない。
今日の会が成功すれば、来週には院内で確実に悠真の立場は強くなるだろう。

真大の病状は伏せられているので、今日は流行性感冒の疑いを理由に欠席としている。沙織も仕事で不在だ。
長男夫妻が抜けても大丈夫と思ってもらえるよう、まどかは笑顔を絶やさないようにするだけだ。



関係者だけとはいえ、パーティーは十分に華やかなものだった。

室内に飾られた花も、テーブルにビュッフェ形式で並べられた料理も温かみのあるものばかり。
飲み物の種類も豊富だし、女性向けのデザートも充実している。
家政婦とまどかが過去のメニューを調べて、何度も相談して決めたものだ。

「悠真の婚約者の大石まどかさん、大石琉輝先生の妹さんなの」

そう言って、栄子がまどかを職員たちに紹介して回る。


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