諦めていた恋の続きを始めます
緊張のうちに、大きな失敗もなくパーティーは終わった。
招待客も満足したようだし、なにより栄子の機嫌がいい。
悠真と顔を見合わせて、よかったとうなずきあう。
真大と沙織が欠席だったことは、問題視されることはなかった。
普段から忙しいふたりだから、内輪の会は後回しでも仕方がないと思われたのだろう。
結局、琉輝は間に合わなかった。
まどかの両親は周防総合病院の職員の慰労会だからと遠慮していたが、琉輝は腎臓内科を担当しているから招いていた。
まどかは医師の仕事の忙しさは理解している。でも今日は久しぶりに兄に会いたかった。
まどかの気持ちが伝わったのか、悠真も親友の姿がないのが残念そうだ。
「急患なら、仕方がないな」
誰とは言わないが、琉輝のことを思ってくれたのだろう。
「そうですね」
客の姿はもう見えない。
栄子はもう日が暮れるという時間なのに出かけて行った。
真治は「あとは任せる」言って、途中から書斎に引きこもっている。
もちろん沙織はまだ帰宅していない。
いったい何のためのパーティーだったのだろう。