諦めていた恋の続きを始めます
琉輝は自分の車で来ていたようで、まどかを乗せるとすぐに発車した。
「兄さん、どうしたの?」
「腹が減ってるんだ。せっかくだから付き合え」
そう言うと、まっすぐ前を見て運転に集中している。
琉輝の様子がいつもと違う気がしたが、まどかは黙って付いて行くことにした。
琉輝は少し車を走らせて、この辺りでは珍しい広い駐車場があるカフェレストランに車を止めた。
冬の日没は早いから、辺りはもう暗い。
「着いたぞ」
「うん」
中はウッディな雰囲気で、夕食時とあって恋人から家族連れまで幅広い客層だ。
たまたまふたり掛けの席が空いていたので、そこに座る。
「寒くないか」
「なんとか」
ワンピースのままだから、気にかけてくれたようだ。
「これ使え」
琉輝が持っていたマフラーを渡してくれる。
ひざ掛けになりそうなくらい厚みがあって、とても暖かい。
「ありがとう」
豊富なメニューの中から、琉輝はハンバーグのセットを、まどかカフェラテを注文した。
まどかはパーティーの間、ほとんど食べていなかったが空腹は感じない。
今日はあれこれあったから、まだ緊張が解けていないのだ。
オーダーを聞いてくれたウエイターが去ってから、琉輝がおもむろに尋ねてきた。
「本気なんだな」
「え?」
「暮れに大石の家にふたりで挨拶に来ただろ? どうも今ひとつ、お前たちが付き合っているってふうに見えなかった」
東京に戻って、真っ先に大石家に行ったときのことだ。
「なんでかわからないが、真実味がなかったんだ」
大雑把に見えて、琉輝には鋭いところがある。親友と妹の間に、何かを感じ取っていたのだろう。