諦めていた恋の続きを始めます
その先へ
とっぷりと日が暮れてから、琉輝が周防家まで送ってくれた。
(相変わらず兄さんたらおしゃべりなんだから)
始めはまどかを心配してくれていたのに、両親のこと、妻や子どものことなど話し始めたら止まらない。
よくしゃべり、よく食べて、気がついたら午後九時を過ぎていた。
すぐに周防家まで送ってくれたのだが、屋敷はシンと静まりかえっている。
栄子はまだ帰宅していないようだし、沙織が仕事から帰って来たかどうかわからない。
(悠真さん、待ってくれているかしら)
外は寒かったのに、悠真のことを思うだけでまどかの体は少し熱を持っていた。
今日はまどかの帰りを待っているに違いない。なぜかそんな気がした。
本気で好きだと言われてから、すぐにパーティー会場に移動したからほとんど話せていない。
だから今夜はふたりだけで、ゆっくり過ごしたかった。
二階に上がる前に、まどかは真大の部屋をそっと除いた。
真大はベッドわきのライトをつけて、本を読んでいた。
「ご気分はいかがですか?」
「まどかさんか。おかえり。悠真に聞いたよ。お兄さんと出かけたって」
「はい。久しぶりにゆっくり会ってきました」
真大も琉輝のことはよく知っているから「楽しかった?」と聞いてくれる。
「しゃべる過ぎるので、こんな時間になってしまいました」
真大も「そうだろうね」と、納得の表情だ。