諦めていた恋の続きを始めます


冬の海は鈍色をしていて、いつもの瀬戸内海の明るさはない。
それにオフシーズンとあって、ひと気もなかった。
それでも午後になって太陽の光が届くようになったからか、思ったほど寒さは感じなかった。

何も考えずにこの砂浜を悠真と歩いた日が懐かしい。
あのままの関係でいたら、こんな思いをせずにすんだはずだ。

一度は諦めていた人だからこそ、必要とされたらうれしかった。
どんな形でも、好きな人のそばにいたかった。

(悠真さんのそばにいられるなら、何を言われても我慢するべきなの?)

沙織の言葉を信じるなら、悠真とまどかは偽りの関係ということになる。
それに耐えられるかどうかというだけだ。

でも、それは違う。
沙織の言うことが真実でもうそでも関係ない。
黙っているより、まどか自身の気持ちをぶつける方がいい。

(悠真さんを愛している)

ほかの人を見ないで。私だけを見て。

海を見ながら考えていたら、だんだん頭の中がクリアになってきた。

(愛しているなら、言わなくちゃ)

傷ついても、きちんと自分の言葉で伝えるべきだった。

「好きなら、きちんと気持ちを伝えないと」

まどかは、はっきりと言葉にしてみた。
波の音に負けないくらい、大きな声が出てしまったようだ。
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