諦めていた恋の続きを始めます
「あの周防先生が振られたって聞いたら、不安になったんだ。早く結婚を決めておかないと、まどかが心変わりしそうで」
「私はそんなこと」
「まどかのことは信じているよ。だからこそ、安心したいんだ」
すぐに返事が出来なかった。なにしろ不意打ちのようなプロポーズだったから、戸惑いもあった。
「結婚したら、仕事は辞めて欲しい。僕のことだけ見て欲しい」
熱い言葉を聞いて、妻として望まれていると信じたまどかは和也との結婚を決めた。
看護師の仕事から離れるのは残念だったが、和也の実家は医療機器を扱っている。
もしかしたら新しい生活で活かせる機会があるかもしれないと思うことにした。
和也の家族からの反対もなく、すべてが順調に進んだ。
正式に婚約者としてダイヤモンドの指輪を受け取り、両家の顔合わせも無事終わった。
式の日取りを決めたり新居の準備をしたりと、やることはたくさんあった。
仕事の時間が合えば、まどかの借りている部屋に和也がやって来る。
ふたりで披露宴の招待客、ハネムーンについて相談する穏やかな時間。
愛されていると思える、陽だまりにいるような日々だった。