諦めていた恋の続きを始めます



数日後、琉輝から連絡があった。鷹取家とのやり取りは父がしてくれたようだ。
まだ結婚式場を決めていなかったし、案内状を出していなかったのは幸いだった。
少しでも手が省けるし、後処理は少ない方がいい。

『母さんは、残念ねって言ってたよ』

寂しそうに笑っていたと聞いたとき、初めて涙がこぼれた。

『父さんも、ひとり暮らしをやめて家に帰ってこいって』

和也の行為はまどかだけでなく、娘の幸せを願っていた両親も傷つけたのだ。

別れた日から、まどかの心には大きな穴が開いていた。

告白されてから、幸せな未来を描いてきた。けれど男の人からの甘い言葉は、形のない脆いものでしかない。
これからは家族以外、誰も信じられない気さえする。

まどかたちが別れたといううわさは、あっという間に病院内を駆け巡った。

仕事をしていても、周囲からの視線が気になった。
同情なのか、好奇心なのかわからない。
いつも誰かに見られている気がして、心が休まらない。

まどかがなにも言わないからか、うわさの内容をわざわざ教えてくれる人まで現れた。

聞けば、和也が浮気したはずなのに、なぜかまどかの方が悪かった話にすり替わってしまっていた。
お金持ちの恋人を都合よく使っていたとか、かわいげのないキツイ性格だとか散々だ。
おまけに、まどかが捨てられたことになっている。


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