諦めていた恋の続きを始めます
「あれ~、よく見たら船に乗ってた先生だ」
「本当だ。白い上着じゃないからわからなかったよ」
船で健康診断を受けた人たちは、どうやらマスク越しでも悠真の顔を覚えていたようだ。
「体調はいかがですか?」
「おかげさまで、元気ですよ~」
「それはよかった」
丁寧な悠真の応対は、島の人たちに好印象を与えたようだ。
「また診てくださいねえ」
言葉を交わしている様子を眺めていても、悠真が島にいるという事実がなかなか信じられない。
「まどかちゃん、彼氏さんにごちそうしてあげないと」
その言葉で、まどかはハッとわれに返った。
「島に遊びに来たんなら、おいしい魚を食べてもらわなくちゃあ」
「は、はあ」
とんでもない話になってしまった。
島に釣り人向けの民宿はあるが、気の利いたレストランやカフェはない。
悠真と話をしようにも、ここでは人目に付くだけだ。
まどかは仕方なく、悠真を自宅に案内することにした。