諦めていた恋の続きを始めます
「私の顔なんか、見たくないかと思って」
まどかが小声でつぶやくと、悠真はすっと立ち上がった。
流し台に立つまどかは、あっという間に悠真の両腕に閉じ込められた形になる。
「妊娠はしていなかったのか」
低い声でつぶやかれた。
「それは、大丈夫でした」
「そうか」
不機嫌そうな、どこかホッとしたような悠真の様子を見て確信した。
(それが気になっていたんだ)
悠真は一夜のこととはいえ、もしまどかが妊娠していたら責任があると思っていたのかもしれない。
「あの、ご心配かけました」
思わず謝ってしまったが、悠真の眉間に縦皺がキュッと寄ったのが見えた。
「まどか」
「あの夜ことは、もう忘れてください」
まどかはこれ以上、悠真に迷惑をかけたくなかった。
「なかったことにしたいと?」
こくこくと、首を縦に振る。
「そうか」
そう言いながら悠真が身を乗り出してきたので、また少し距離が近くなった。
「あ、あの、周防さん」
「ん?」
「ゆ、悠真さん」
キスされるのかと身構えるが、悠真の表情は変わらない。