諦めていた恋の続きを始めます
「たまには島から出てみないか?」
悠真がそんなことを言いだしたのは、島に来始めて何度目だっただろうか。
ほかの島にも人気のスポットが数多くあるし、四国側まで足を延ばせば有名な観光地もある。
まどかはあまりこの島から出かけたことがなかったので、つい誘いに乗ってしまった。
約束の日。
どこに行くのかと思っていたら、悠真は島まで海上タクシーで迎えに来てくれた。
「こんな贅沢していいんですか?」
「こっちの方が、効率的だろ」
まどかのいる島と悠真が住んでいる街の間には、数時間おきのフェリーしか交通手段がない。
限られた時間の中では思うように行動できないから、悠真が気を使ってくれたようだ。
「ありがとうございます」
「そのうち船舶免許をとるさ」
「えっ⁉」
「冗談だよ」
そんなことを言って笑っているが、悠真なら簡単に試験に合格して小型船を買ってしまいそうだ。
都会の生活が似合う人だと思っていたが、悠真は少し日に焼けてたくましくなってきた。
(こんなに海が似合うなんて)
またひとつ、悠真の魅力が増した気さえする。