諦めていた恋の続きを始めます
「週に何回か、診療所で働いてもらうのはどうででしょうか」
「それなら、まったく医者のいない島にならずにすみそうだ」
「あなた。いいお話ね」
診療所を閉めたあとの、島民の健康を守るめどがたってきた。
「勤務条件など煮詰める部分はありますが、いかがでしょう」
「願ってもない話だ。役場の直接雇用か、病院からの派遣契約にしてもらってもいいだろうな」
「では、ここから先は穴吹先生と役場の方にお任せしてよろしいですか」
「もちろんだよ。ありがとう、周防先生」
これでやっと安心できると、穴吹はホッとした表情だ。
「まどか君。あと少しだけどよろしく頼む」
穴吹の隣で晴美も微笑でいる。
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
晴れ晴れとした顔で、昼食が始まった。
「たくさん召し上がってくださいね」
「おいしそうですね」
「どれも島で釣れた魚なの」
「釣りが経験がないな」
それを聞いて、穴吹が悠真を釣りに誘った。
「食事のあと、時間があればやってみないか?」
「ぜひ!」
悠真は生まれて初めて海釣りに挑戦することになってしまった。
「主人ったら、周防さんみたいな若い人と釣りに行くのがうれしいみたい」
「そうですね。いつになく楽しそうですね」
午後からも数件だけ訪問看護があるまどかを置いて、ふたりはワクワクした表情で海辺に向かって行った。