諦めていた恋の続きを始めます
女性は脱水症状があるうえに、かなりの貧血とわかった。
口から薬を飲み込めない様子だから、点滴で輸液と一緒に鉄分を補給しなくてはいけない。
その間にも次々と患者が増えてきて、気づけばまどかは医師の指示で動いていた。
しばらくして点滴が終わると、女性はすっかり顔色がよくなっていた。
同行していたメンバーたちも、医師の処置のおかげだと喜んでいる。
念のために処方された薬を持つと、グループは再び旅立った。
「助かったわ。ありがとう」
女性たちを見送っていたら、受付にいた女性が声をかけてくれた。
「先生の奥さんだよ」
船で出会った老女が紹介してくれる。
老女も薬をもらいに来たついでだからと、まどかの様子を見守ってくれていたようだ。
「お疲れさん。よく動いてくれたね」
老医師も、ねぎらってくれた。
老女の話によれば、島の診療所をひとりで守ってきた穴吹医師は、もう七十を過ぎていると言う。
「先生がいてくれないと、私らは困るからねえ」
患者たちにはなくてはならない存在とはいえ、受付を担当している妻の晴美も長時間座っていたら足腰が痛むそうだ。
「年には勝てないのよ」