諦めていた恋の続きを始めます
「私でよかったら、ここで働かせてもらえませんか」
診療所の窮状を聞いて、まどかは自分から申し出てしまった。
「あなたが、この島で?」
晴美はとても驚いた顔をした。
島の若い人たちは、ほとんど島から出て都会で就職しているらしい。
「うれしいけど、ここもそう長くは続けられないの」
そう言って、晴美は夫である穴吹医師に視線を向けた。
「体力が持たないからねえ。そろそろ引退するつもりなんだ」
来年の暮には閉院する予定だからと、穴吹は申し訳なさそうな表情でまどかの方を見る。
「それまでで大丈夫です。もし私でよかったらですが」
「働いてくれるなら、とっても助かるわ」
晴美はうれしそうだ。猫の手も借りたいほどだし、若い人がいてくれると心強いとまで言ってくれる。
あとから書類はきちんと準備すると断って、まどかが学歴や勤務歴を話すと、穴吹医師も受け入れる決心がついたようだ。
「じゃあ、閉院までという契約で」
「ありがとうございます」