諦めていた恋の続きを始めます
悠真は半信半疑のようで、具体的なことを尋ねている。
「それで、病名と容態は」
沙織は口をつぐんだ。ここで病状を話す気はないようだ。
「お義父様に黙ってあなたを迎えに来たんだもの。他人もいるし、言えないわ」
まどかはどうしていいかわからなくなってきた。
自分がここにいることで詳細が言えないのなら、出た方がいい。でも悠真は、沙織と一対一になりたくなさそうだ。
「つい先日、医学雑誌に掲載された論文を見たばかりだが、本当に病気なのか?」
「私からはこれ以上話せない」
悠真はまだ真実かどうかを疑っている。
「ねえお願い。私、もう悠真しか頼れる人がいないの」
沙織の言葉は芝居じみてきた。なんとしても悠真を連れて帰りたい気持ちがありありと伝わってくる。
「まどか、次のフェリーは?」
「本州行きがもうすぐです」
悠真がフェリーの時間を気にしたからか、沙織が嬉しそうに声を上げた。
「一緒に帰ってくれるのね」