諦めていた恋の続きを始めます
港に着くとすぐに悠真が救急隊員に病状を伝え、救急車に乗り換える。
救急車はサイレンを鳴らして市内を走り、またたく間に悠真が勤めている病院に着いた。
すでに連絡を受けていたスタッフたちが手際よくERへ運んでいく。
「俺が診る」
「よろしくお願いします」
循環器は悠真の専門分野だ。
悠真たち病院のスタッフに任せると、もうまどかの出番はない。
だが種村の家族が来るまでは気が抜けなかった。
それにまどかを島に導いてくれた人だから、元気になって欲しい。
まどかは検査が終わるまで、ずっと廊下の椅子に座って待ち続けた。
血液検査や画像での診断の結果、急性の心筋梗塞が確定した。
穴吹が心配していた大動脈疾患の再発ではなかったが、どちらにしても危険な状態に変わりない。
種村はただちにカテーテル治療を受けた。
大動脈にカテーテルを入れてバルーンで広げ、ステントを留置して血流をもとの状態にもどす。
悠真の技術は東京の病院でもトップクラスだった。
この病気は心筋への血液の流れが途絶えてしまうのだか、最近血圧が高めだった種村には発症の危険があった。
だが痛み始めてすぐに受診できたことと、治療までの時間が短かったことが幸いだった。
ここまで迅速に運べたことと悠真の適切な処置もあって、種村は助かった。