諦めていた恋の続きを始めます
穴吹はまどかからの連絡を待ち構えていたようだ。
無事に処置が終わったと伝えると、ホッとした様子が伝わってきた。
種村の息子夫婦が病院に駆けつけた時には、すでに日付が変わっていた。
「母の顔を見て、安心しました」
入院病棟に移された種村は、薬で眠っている。
「治療は無事終わりました。もう安定していますので、一週間くらいの入院ですみそうです」
まどかがここまでの経緯を伝えると、種村の息子は母親が命拾いしたことを喜びながらも疲労の色が隠せない。
どうやら母親の無事を願いながら、二百キロの距離を運転してきたようだ。
「大石さん、お世話になりました」
「いえ、お大事になさってください」
その夜は特別に家族が付き添えることになったというので、やっとまどかも肩の力が抜けた。
病室を出たら、院内は静まり返っている。
気がつけばこれからホテルに行くものどうかという時間だし、もちろん島への交通手段は朝までない。
(どうしよう)
街に出て二十四時間営業のカフェかファミレスでも探そうかと思っていたら、廊下のむこうに悠真の姿が見えた。