諦めていた恋の続きを始めます




「先にバスルーム使って」
「いえ、周防さんがお先にどうぞ」

「譲り合っても仕方ない」

そう言って、新しいタオルを渡してくれる。

「すみません」

まどかはタオルを受け取ってシャワーを浴びることにした。
ふだんから薄化粧だが、さすがに素顔をさらすのは恥ずかしい気もする。
この薄暗い時間でなければ迷っていただろうが、まどかもさっぱりしたかった。

疲れた体に熱いシャワーは心地よかったが、悠真を待たせるのは気がひける。
手早く身支度をして、バスルームから出た。

リビングにいた悠真が、ベッドルームを使ってくれと言う。

「シーツを変えておいた」
「え? 私はソファーで十分ですよ」

悠真が普段使っているベッドだと思うと、足がすくんでしまった。
意識しないようにと思えば思うほど、身構えてしまう。

「それじゃあ疲れがとれない」

まどかの警戒心を察したのか、悠真が軽い口調で促してくれた。

「安心してくれ、手を出したりしないから」
「そんなこと」

考えてもいないと言いかけたが、悠真は頑固な表情だ。
お互い疲れているし、深夜に言い合っている場合ではなさそうだ。

「なら、ここだな」

ソファーに座った悠真が、隣に座るように座面を叩く。
遠慮する方がおかしい気がして、まどかは悠真の言われるとおりにした。

「あの、それで」

言葉をさえぎるように、悠馬がまどかの肩を抱くと自分の膝の上に頭を乗せる。

「ごちゃごちゃ言わずに、とにかく休め」

頭をポンポンとたたかれたが、その手はそっと下に降りてきて目を覆われた。
まどかは言葉も出ない。

悠真の膝の心地よい固さと熱が、とろりと言い気分にさせてくれる。
起き上がる気力を奪われてしまうと、すぐにまぶたが重くなってきた。




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