諦めていた恋の続きを始めます


ここまで話が進んでいたら、悠真が口を挟む余地はない。
それに普段から交流のない家族相手に、今さら悠真が何を言っても無駄だろう。真大が納得しているならなおさらだ。

家族の食事会からまもなく、真大と沙織の結婚が正式に決まった。
どういうわけか学生時代のうわさが再燃し、悠真が沙織に振られたことになっていた。

世間は思った以上に恋愛沙汰が好きらしい。
それが周防家の兄弟間のこととなると、なおさら関心を集めるのだろう。

兄に恋人を奪われた弟というのが、悠真の立ち位置だ。もうあきれるしかない。

「お前、大丈夫か?」

琉輝からも真面目な顔で尋ねられてしまった。

もう何年も優秀な兄と比較され続けてきたことを、琉輝は知っている。
真相を伝えていなかったから、学生時代の沙織とのうわさも信じたままだ。
だから悠真が傷ついていると心配してくれている。

「関係ないさ、俺は沙織と付き合ったことはないんだ」
「えっ⁉ まさか……」

過去のうわさを否定しても、琉輝は首をかしげていた。


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