諦めていた恋の続きを始めます


(とうとう花嫁になるのか……)

悠真の胸には、確かな痛みがあった。

ところが琉輝から、まどかの結婚がなくなったと連絡があった。和也から一方的に捨てられたようなものだという。

『飲みに付き合ってくれ』

珍しく琉輝が深酒をした。
酔った勢いだったのか「すまないが話を聞いてくれ」と、琉輝にしては珍しく愚痴をこぼす。
大切な妹が裏切られたことが、悔しくてならないようだった。

悠真もまどかが心配でたまらなかった。
やがて病院内でも、ふたりの破局が囁かれるようになっていく。

「葉子ったら、やるわね」
「鷹取先生も、ひどいわよ。長年の恋人をあっさり捨てるなんて」
「結婚を取りやめて別の相手とデキ婚って、まるでドラマみたい」

中にはまどかを悪く言ううわさもあった。
結婚が取りやめになったうえに、心ない視線にさらされているかと思うと居ても立ってもいられない。

病院で見かけるまどかの表情は日に日に硬くなっていく。
あの柔らかな笑顔は消えてしまっていた。

悠真にとってどれほど愛おしい存在だったのかと、改めて身に染みていた。

(婚約は消えたのだから、堂々と会いに行けばいい)

悠真は自分の気持ちが抑えられなくなっていた。

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