諦めていた恋の続きを始めます


琉輝にまどかの様子を尋ねたら、しばらく東京を離れることにしたと言う。
すでに借りていたマンションを引き払ってしまったそうだ。
たまたま旅に出る前日だったようで、ホテルに泊まる予定だと聞いた悠真はまどかのもとに急いだ。

(ひとりで泣いているかもしれない)

そこにつけ込む気はなかったが、結果的には同じだろう。

バーでお酒を飲んでいる姿は、思っていたより落ち着いていた。

「強がるなよ。俺の前では」

少しでも楽になってくれたらと思って言った言葉を、どうやらまどかは勘違いした。
沙織とのうわさを知っていたので、同類だと思ったようだ。
兄に恋人を奪われた弟だと思われるのは心外だったが、遠慮がなくなったのか気安くあれこれと話してくれる。

だが心の奥では、かなり心細かったようだ。

「ひとりで大丈夫か?」と尋ねだけで、まどかから求められるとは思わなかった。

「一緒にいてくれる?」

その手を取って、ホテルの部屋に行く。

弱っている相手につけ込んだかのように思われたとしても、まどかを求める心にうそはない。






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