諦めていた恋の続きを始めます
それからは夢のような時間が過ぎた。
ずっと愛おしいと思ってきたまどかが、俺の腕の中にいる。
やっと手に入れたからには、もう離すつもりはない。
だがまどかは半ばうわごとのように「私が悪かったのかな」とつぶやく。
「大丈夫だ。俺がいる」
「お前は悪くない」
「あんな男、忘れてしまえ」
そう言って、何度も唇をふさいだ。
まどかを裏切り、ここまで傷つけた和也を許せそうにない。
和也と付き合った時間は消せないが、まどかの体のすべての部分に上書きしていく。
「俺にしておけ」
甘い体を味わい尽くして、自分のものだという証拠を刻み付けた。
悠真だって、一度抱いただけですべてが手に入るとは思っていない。
まだ和也が心に残っているのかもしれないが、少しずつ悠真に気持ちを向けてくれれば十分だ。
そう思っていたのに、翌朝まどかは姿を消してしまった。
旅に出るとは聞いていたが、なかなか東京に戻ってくる気配がない。
ひと月待って、三月待って、その間に何度も琉輝を問い詰めた。
なんとしても会いたいと思ったが、琉輝に聞いてもどこに行ったか口をつぐんでいる。
和也のことがあったからか、妹思いの琉輝は誰とも関わらせたくないのかもしれない。
あの一夜を後悔しているから、俺の前に姿を見せないのだろうか。
やはり強引過ぎたかと、悠真の胸にやり切れなさだけが募っていった。