ホームラン王子と過ぎ去った青春をもう一度
「は、はじめまして……」
「そうかい。やっと、夢が叶ったんだな」
「おー。ちょっと、煩くするわ。クレーム来たら、ごめんな?」
「気にしないでくれ。ホームラン王子のおかげで、ここの売上は鰻登りだからね」
「サンキュー!」
受付の男性は優しく目を細めると、ひらひらと手を振って同級生と別れを告げた。
小出くんは当然のように施設の一番奥まで歩いてやってくると、私に楽器の入ったトランクケースを返してくれる。
その後バッティングエリアの中に入って備えつけられたバットを手に持つと、上半身を動かして準備運動を始めた。
「今から、打つの?」
「おー。高藤も、準備して?」
「何を? 私、野球なんてさっぱりで……」
「トランペット」
「ここで?」
「そのために、持ってきてもらったんだぜ?」
先程店主と交わしていた会話を思い出し、彼のやりたいことをようやく悟る。
「そうかい。やっと、夢が叶ったんだな」
「おー。ちょっと、煩くするわ。クレーム来たら、ごめんな?」
「気にしないでくれ。ホームラン王子のおかげで、ここの売上は鰻登りだからね」
「サンキュー!」
受付の男性は優しく目を細めると、ひらひらと手を振って同級生と別れを告げた。
小出くんは当然のように施設の一番奥まで歩いてやってくると、私に楽器の入ったトランクケースを返してくれる。
その後バッティングエリアの中に入って備えつけられたバットを手に持つと、上半身を動かして準備運動を始めた。
「今から、打つの?」
「おー。高藤も、準備して?」
「何を? 私、野球なんてさっぱりで……」
「トランペット」
「ここで?」
「そのために、持ってきてもらったんだぜ?」
先程店主と交わしていた会話を思い出し、彼のやりたいことをようやく悟る。