ホームラン王子と過ぎ去った青春をもう一度
「そうだ! 怪我! 運動なんかして、大丈夫なの!?」
「バッティングくらいなら、平気」
「でも……!」
「日常生活に問題があったら、1日中立ち仕事の営業なんて出来ねぇだろ?」
「そうだけど……っ」
「心配してくれんだ?」
彼が選手生命を絶った原因を思い出して焦る私に、彼は口元だけを綻ばせてこちらを挑発する。
そんな仕草にハートを撃ち抜かれたような錯覚に陥ったのを悟られたくなくて――気まずそうに視線を逸らしながら、ボソボソとか細い声を口にした。
「あ、当たり前でしょ……? 引退したと言えども、いまだに小出くんの人気は根強いんだから……」
「俺は高藤以外に好意を向けられても、嬉しくねぇけど?」
「小出くん……」
「なぁ、真姫ちゃん。俺のこと、好きになる気は?」
そんなの、あるはずがない。
そう突き放したいのに、彼が口にしたある単語が不愉快で仕方なくて――私は苛立ちを隠せぬまま、ぶっきらぼうに告げた。
「下の名前に、ちゃんづけは止めて」
「なんで? 仲いい奴らには、そうやって呼ばせてたじゃん」
「バッティングくらいなら、平気」
「でも……!」
「日常生活に問題があったら、1日中立ち仕事の営業なんて出来ねぇだろ?」
「そうだけど……っ」
「心配してくれんだ?」
彼が選手生命を絶った原因を思い出して焦る私に、彼は口元だけを綻ばせてこちらを挑発する。
そんな仕草にハートを撃ち抜かれたような錯覚に陥ったのを悟られたくなくて――気まずそうに視線を逸らしながら、ボソボソとか細い声を口にした。
「あ、当たり前でしょ……? 引退したと言えども、いまだに小出くんの人気は根強いんだから……」
「俺は高藤以外に好意を向けられても、嬉しくねぇけど?」
「小出くん……」
「なぁ、真姫ちゃん。俺のこと、好きになる気は?」
そんなの、あるはずがない。
そう突き放したいのに、彼が口にしたある単語が不愉快で仕方なくて――私は苛立ちを隠せぬまま、ぶっきらぼうに告げた。
「下の名前に、ちゃんづけは止めて」
「なんで? 仲いい奴らには、そうやって呼ばせてたじゃん」