ホームラン王子と過ぎ去った青春をもう一度
簡単にまとめると、過激と温厚と言うことだろう。
推し活と言うものに馴染みのない私は彼女たちが後者でよかったと安堵しながら、会話を続ける。
「ホームラン王子が高藤さんを好きなのは明らかですもの。あとはあなたがその気になればいいだけ!」
「私たちはお二人の仲を、全力応援します!」
ひらひらと手を振る事務員たちに学生時代の自分を重ねた私は、なんとも言えない気持ちでいっぱいになった。
――当時、彼女たちのように全力で小出くんを応援していたら……。
みんなと一緒に、ホームラン王子の好きなところを大盛り上がりで騒いでいたら……。
私はきっと、彼に好かれることはなかったんだろうな……。
そんな後ろめたい気持ちで、いっぱいになったからだ。
小出くんが私を好きになったのは、みんなと違う姿を魅力に感じた。
その一点だけだ。
別に、誰でもよかったんだと思う。
そう感じるから、余計に私は彼を好きになれなくて……。
「高藤? どうしたの?」
遠い目をしながら過去に思いを馳せていると、こちらを不安そうに覗き込む小出くんと目が合った。
私は彼に「なんでもないよ」と伝えて取り繕うと、仕事に集中したのだった。
推し活と言うものに馴染みのない私は彼女たちが後者でよかったと安堵しながら、会話を続ける。
「ホームラン王子が高藤さんを好きなのは明らかですもの。あとはあなたがその気になればいいだけ!」
「私たちはお二人の仲を、全力応援します!」
ひらひらと手を振る事務員たちに学生時代の自分を重ねた私は、なんとも言えない気持ちでいっぱいになった。
――当時、彼女たちのように全力で小出くんを応援していたら……。
みんなと一緒に、ホームラン王子の好きなところを大盛り上がりで騒いでいたら……。
私はきっと、彼に好かれることはなかったんだろうな……。
そんな後ろめたい気持ちで、いっぱいになったからだ。
小出くんが私を好きになったのは、みんなと違う姿を魅力に感じた。
その一点だけだ。
別に、誰でもよかったんだと思う。
そう感じるから、余計に私は彼を好きになれなくて……。
「高藤? どうしたの?」
遠い目をしながら過去に思いを馳せていると、こちらを不安そうに覗き込む小出くんと目が合った。
私は彼に「なんでもないよ」と伝えて取り繕うと、仕事に集中したのだった。