ホームラン王子と過ぎ去った青春をもう一度
 画面に映し出された写真には、マイスイングハウスと記載された社用車が映り込んでいる。
 そこからそのつぶやきを目にした一般人たちの特定作業が始まり、彼らはホームラン王子が宣伝広告塔として就任したばかりのホームページに辿り着き――スタッフ紹介の中から、モザイクに覆い隠された女性の正体を探し当ててしまった。

「今後我が社の社員に対する誹謗中傷は法的処置を取ると、プレスリリースを出す予定だ。しかし、この報道が事実無根とは言えない。そうだね?」
「はい。俺は、高藤が好きです。絶対、俺がこの手で幸せにしてみせます」
「ちょ、ちょっと! 小出くん……!」

 彼は真剣な表情でそう宣言すると、繋いだ指先に力を込めた。
 同級生の強引すぎる行動に面食らいながらも、私はどんな顔をすればいいのかわからずに二人を交互に見つめるしかない。

「二人が結婚を前提に交際をしているのなら、そう発表してしまうのも一つの手ではあるんだが……」
「そ、そんな事実はありません……!」
「高藤」
「い、痛……っ」

 絡めあった指先に、爪が立てられる。
 思わず表情を歪めれば、有無を言わさぬ笑顔を浮かべた小出くんと目が合った。
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