お兄ちゃん、すきだよ。
「春乃、ずっとずっと好きだった!ガキの頃から好きだったんだ!」
「私だって…!」
涙がこみあげてきて、言葉がつまってしまう。
私だって、ずっと颯太を大切に思ってきた。
いつもふざけながらだけど、私を好きだと言ってくれた颯太。
やっと本気で向き合おうと決めたのに。
それなのに…。
「颯太なんて好きじゃない…!」
私は心にもないことを言い放ち、止まらない涙を流したまま屋上を後にした。
颯太の顔を見るのが怖くて、私は振り返ることができなかった。
屋上から続く階段を降りると、壁にもたれて優が立っていた。
私は泣いたのがバレないように、目をごしごしこする。