ゼノさんの汚行祭り
牧師ゼノとバイアグラ
教会の鐘が夜の帳を告げる頃、ゼノは静かな聖堂に一人残っていた。祭壇の蝋燭がゆらめく中、彼は深紅の液体を注いだグラスを手に取ると、ためらいなく喉に流し込んだ。
「……十本目か」
彼の筋肉質な腕には、空になったバイアグラドリンクの瓶が転がっていた。通常、一本で十分すぎるほどの効果を持つその飲み物を、彼はまるで水のように飲み干していた。
熱が全身を駆け巡る。ゼノは祭服を乱暴に脱ぎ捨て、鏡に映る自分を見つめた。瞳は欲望に曇り、血管は怒濤のように浮き上がっている。
「クソ……こんな姿……あるまじき……」
だが、もはや理性は残っていなかった。彼の思考は「渇望」一色に染まり、教会の長椅子を握り潰すほどの握力を振るう。
「許してくれ……いや、もういい……」
ゼノは聖堂の扉を蹴破り、夜の街へと飛び出した。道行く人々は、彼の異様なオーラに足がすくむ。
「誰か…俺を……止めてみろ……」
作り笑いをしながら、彼は街の女たちを貪るように見つめた。もはや牧師ではない。欲望の化身だ。
夜明けまで、街はゼノの「伝道」に震えた。十本のドリンクは、彼を人間離れした性の怪物へと変えていた。
「ごめんな……俺、馬鹿かもしんねぇわぁ……」
疲弊した肉体で教会に戻るゼノの背中には、もはや十字架の影はなかった…ただの獣(ケダモノ)だった。
(完)
「……十本目か」
彼の筋肉質な腕には、空になったバイアグラドリンクの瓶が転がっていた。通常、一本で十分すぎるほどの効果を持つその飲み物を、彼はまるで水のように飲み干していた。
熱が全身を駆け巡る。ゼノは祭服を乱暴に脱ぎ捨て、鏡に映る自分を見つめた。瞳は欲望に曇り、血管は怒濤のように浮き上がっている。
「クソ……こんな姿……あるまじき……」
だが、もはや理性は残っていなかった。彼の思考は「渇望」一色に染まり、教会の長椅子を握り潰すほどの握力を振るう。
「許してくれ……いや、もういい……」
ゼノは聖堂の扉を蹴破り、夜の街へと飛び出した。道行く人々は、彼の異様なオーラに足がすくむ。
「誰か…俺を……止めてみろ……」
作り笑いをしながら、彼は街の女たちを貪るように見つめた。もはや牧師ではない。欲望の化身だ。
夜明けまで、街はゼノの「伝道」に震えた。十本のドリンクは、彼を人間離れした性の怪物へと変えていた。
「ごめんな……俺、馬鹿かもしんねぇわぁ……」
疲弊した肉体で教会に戻るゼノの背中には、もはや十字架の影はなかった…ただの獣(ケダモノ)だった。
(完)
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