Devil's Night
 
【2002.7.20 東京】


 カイに会うことがなくなると、事件の記憶は徐々に薄れていった。


 受験勉強に打ち込んでいる間は、カイに関する記憶の全てが幻だったような気がしていた。そして、志望大学に合格し、新しい世界が開けると、カイの存在はますます遠くなった。


 夏。


 大学生になった私には、それまでとは比べ物にならないほどの自由が与えられた。


 そのひとつが、生まれて初めてのアルバイト。夏休みの昼間だけならと、厳格な父も許してくれたのだ。
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