Devil's Night
 
 既に消灯している玄関先に立って、夜間救急外来の文字が光る赤いサインを見つめていた。そのとき、不意にポケットでケータイが鳴る。


――省吾さんだ……。


 我に返ったような気分でケータイを開き、真っ先に、
「絵莉花、無事なんですか!?」
と聞いた。


 短い沈黙があった。


「犯人が現れなかった」


「そんな……」


「FBIの存在に気付いてるのかも知れない。時間と場所を変えてきた」


「そう……ですか……」


 まだ娘を取り返す機会は残されているとわかっていても、落胆を隠せない。
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