憧れの専務は私の恋人⁉︎

3.専務の呼び出し

　カウンターで寝てしまった専務の隣で、私はこれからどうしたらいいのかを考えながら、ジョッキを傾けた。

（自力で帰ってもらおう。）

　私は心の中でよしと気合を入れて、専務の肩を叩いた。

「専務、起きてください。」
「ん……」

「出禁になっちゃいますよ？」
「やだ……」

　甘ったるい寝言みたいな声が聞こえてきて白目になりかけた。平然と飲み続けていたからお酒に強いのかと思ったけど、相当酔っていたようだ。これだから酔っ払いはタチが悪い。きっと明日になったら全部覚えていないとか言うのだろう。

「知りませんからね！」

　ため息をついて席を立つと、強い視線を感じて振り返った。笑顔を向けている店主の目は1ミリも笑っていない。専務を放置して帰ることは、私には許されていないようだ。

（こうなったら……）

　再び椅子に座ると、私はスマホを取り出した。
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