私の居場所は、先生の隣!
 「先生が好きです」

 これが私の気持ち。飾らないそのまんまの言葉。

 「……中学生のくせに、生意気なこと言うなよ」

 「また子供だって、馬鹿にしてるし……」

 先生がふざけたように言ったので、何とか離れる事が出来た。

 「……そうだ、お前はもう子供じゃない」

 「…………」

 「自分では気が付いてないかもしれないが……陽菜、お前はもう、前のお前じゃない」

 「…………」

 「嘘じゃない。なぜならな……」

 私の肩に手を乗せる。

 「そんなお前の姿を見て、俺は励まされたからだ。このままだと……陽菜に置いていかれるような気がしてな……」

 「え⁉」

 私が先生に感じてたこと、そのまんま、先生も私に感じてたの?

 何だ‥‥そう言えば、そうだった……。

 私と先生は同じだった。

 焦る必要はなかった。

 だったら私も目的に向けて進んでいけばいいんだ。

 その目標っていうのはもちろん……。

 「…………ふふ」

 「何だ、急に笑いだして」

 「内緒」

 「……ふん、おかしな奴だな」

 「先生!」

 「……その先生っていうの、もうやめろ。実習期間はもう終わった」

 「じゃあ、皆川さん」

 「…………」

 私がそう言ったら、先生……皆川さんは体をのけ反らせた。

 「私も自分の居場所を見つけました。だから、そこに行く為に頑張ります!」

 「……やけにやる気に満ちてるな」

 「うん」

 私は皆川さんから離れて、後ろ手に背を向け、それからクルっと前を向いた。

 「最後に一つだけお願いがあります!」

 「ん?」

 「…………」

 私は目を瞑って、口をとがらせる。

 当然、次のシーンはああなる……って思ってたけど、

 「!」

 皆川さんは、私のおでこにキスした。

 「え⁉」

 「中学生が生意気なんだよ」

 「……ふん」

 強がる声も、その余裕も、きっと長くは続かない。

 私は必ず手を伸ばす。

 何度でも、先生――ううん、皆川さんのいる場所へ。
< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop