美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
「おたく誰? なんでそこ座ってんの?」
八木君がとてつもなく冷たい目で男を見ると
「いや。えっと…あー、すんません!!」
と男はそそくさと逃げていった。
戻った席で一緒にいた男の子たちにやいのやいのとからかわれているようだった。
八木君はそのまま席に座って、こちらを見てきた。
さっきと打って変わって優しい表情になっていた。
「大丈夫でしたか?」
「あ、うん。ありがとうございます」
「声かけられまくってましたね」
「あの人、しつこくてびっくりしましたよ」
「その前にも何人かにナンパされてたでしょ?」
「え?!ナンパじゃないですよ。この席空いてますかって聞かれただけですよ」
「!!!」
八木君は無言で目を見開いた。
じっと見つめられて
「な、なんですか?」
とどぎまぎしながら問うと、
「本気ですか?」
「何がですか?」
「それ、ナンパですよ?」
「は?」
と、今度は優子が固まっているとー
「おまたせ」
という声に振り返った。そこには背の高く肩幅の広い男性がたっていた。きらりと光るシルバーフレームの眼鏡に切れ長の二重の目、通った鼻筋に不敵な笑みをこぼす薄い唇。イラっとした時に見せる少し片目をぴくっとさせる顔は冷淡で見ていてぞっとする。
この男が、口田亮太郎だ。
八木君がとてつもなく冷たい目で男を見ると
「いや。えっと…あー、すんません!!」
と男はそそくさと逃げていった。
戻った席で一緒にいた男の子たちにやいのやいのとからかわれているようだった。
八木君はそのまま席に座って、こちらを見てきた。
さっきと打って変わって優しい表情になっていた。
「大丈夫でしたか?」
「あ、うん。ありがとうございます」
「声かけられまくってましたね」
「あの人、しつこくてびっくりしましたよ」
「その前にも何人かにナンパされてたでしょ?」
「え?!ナンパじゃないですよ。この席空いてますかって聞かれただけですよ」
「!!!」
八木君は無言で目を見開いた。
じっと見つめられて
「な、なんですか?」
とどぎまぎしながら問うと、
「本気ですか?」
「何がですか?」
「それ、ナンパですよ?」
「は?」
と、今度は優子が固まっているとー
「おまたせ」
という声に振り返った。そこには背の高く肩幅の広い男性がたっていた。きらりと光るシルバーフレームの眼鏡に切れ長の二重の目、通った鼻筋に不敵な笑みをこぼす薄い唇。イラっとした時に見せる少し片目をぴくっとさせる顔は冷淡で見ていてぞっとする。
この男が、口田亮太郎だ。