美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
【side 香坂優子】
「おはようございます」
「おはようございます」
企画室には出社した社員たちが思い思いに過ごす中、小さく挨拶をしながら席に向かう。
椅子に鞄を置いて、中から荷物をだしながら金曜日の八木君をまた思い出していた。
週末に何度も彼を思い出しては頬を赤くしていた。
絶対に私の方が八木君を意識していると思う。
亮太郎に言われて気付いた自分の気持ち。
同時に傷つくことが恐くて逃げ出した。
・・・・・・。
八木君の悲しそうな作り笑顔を思い出してしまう。
ちらりと隣の席に座る八木君を盗み見た。
八木君がくるりと向きを変え、私を見た。
「次の企画会議で取り上げたい案件あるんですけど、明日、お時間いただいてもいいですか?」
「うん。もちろん。 えっと、明日ね」
びっくりした。仕事の時間ね。はあ・・・意識し過ぎてる。
共有スケジュールをひらいて、
「何時にする?」
と、PCの画面を八木君にも見える角度に変えた。
八木君が椅子をコロコロして私の横に並んで、画面をのぞく。
触れる肩にドキッとして、少し顔が熱くなった。
「前にいた部署の先輩も同席するんで‥‥いちお14時からとかどうですか?」
「うん。14時ね。大丈夫」
フッと横を向いて八木君の顔を見た。
あ・・・・。
私を見ていた八木君と目が合う。
二人の肩が触れる程の距離は思っていたよりもずっと八木君の顔を近い。
「ごごごごめん!!」
慌てて目を背けた。
あ!急に眼を逸らしたら、気分を害しちゃう?
「今のは、急だったから、びっくりして、嫌とかそーゆ―のじゃなくて、あっでもいいわけでもなくて、あの、えっと、何言ってるんだ私!?」
「あはははははっ」
楽しそうに笑った八木君は、
「俺の方こそ驚かしちゃってすみません」
と微笑んだ。
「う、うん」
ゆっくりと前を向いて、キーボードに手を置いた。
「よし、じゃ。仕事しよう・・・かな」
「はい」
「おはようございます」
「おはようございます」
企画室には出社した社員たちが思い思いに過ごす中、小さく挨拶をしながら席に向かう。
椅子に鞄を置いて、中から荷物をだしながら金曜日の八木君をまた思い出していた。
週末に何度も彼を思い出しては頬を赤くしていた。
絶対に私の方が八木君を意識していると思う。
亮太郎に言われて気付いた自分の気持ち。
同時に傷つくことが恐くて逃げ出した。
・・・・・・。
八木君の悲しそうな作り笑顔を思い出してしまう。
ちらりと隣の席に座る八木君を盗み見た。
八木君がくるりと向きを変え、私を見た。
「次の企画会議で取り上げたい案件あるんですけど、明日、お時間いただいてもいいですか?」
「うん。もちろん。 えっと、明日ね」
びっくりした。仕事の時間ね。はあ・・・意識し過ぎてる。
共有スケジュールをひらいて、
「何時にする?」
と、PCの画面を八木君にも見える角度に変えた。
八木君が椅子をコロコロして私の横に並んで、画面をのぞく。
触れる肩にドキッとして、少し顔が熱くなった。
「前にいた部署の先輩も同席するんで‥‥いちお14時からとかどうですか?」
「うん。14時ね。大丈夫」
フッと横を向いて八木君の顔を見た。
あ・・・・。
私を見ていた八木君と目が合う。
二人の肩が触れる程の距離は思っていたよりもずっと八木君の顔を近い。
「ごごごごめん!!」
慌てて目を背けた。
あ!急に眼を逸らしたら、気分を害しちゃう?
「今のは、急だったから、びっくりして、嫌とかそーゆ―のじゃなくて、あっでもいいわけでもなくて、あの、えっと、何言ってるんだ私!?」
「あはははははっ」
楽しそうに笑った八木君は、
「俺の方こそ驚かしちゃってすみません」
と微笑んだ。
「う、うん」
ゆっくりと前を向いて、キーボードに手を置いた。
「よし、じゃ。仕事しよう・・・かな」
「はい」