美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱

私が浮気相手だったのか

【side　香坂優子】

「・・・気持ち・・・悪い・・・・。ト、トイレ・・・行きた・・・・・・うっ」
頭がぐわんぐわんと響き、嘔気が襲ってくる。
目の前が揺れる・・・。


私は医務室のベットで眠っていた。
会いたくなかった元カレの坂上優と偶然に再会して2時間がたっていた。


半分眠りつつ、夢を見るかの如く、大学生の頃を思い出していた。




あいつと出会ったのは大学1年の春だった・・・。



　　　＊＊＊


大学生になった私は人生で初めての恋人ができた。
相手はバイト先の先輩で2歳年上の坂上優だった。
「香坂優子」
「坂上優」

きっかけは名前が似すぎだと話したことだった。
彼とはシフトが一緒になることも多くて、話す機会はたくさんあった。


優は優しくて、何でも知っていてさわやかな、頼りがいのある人で。
田舎から出てきた私には、優はスマートで大人でまぶしくて・・・、好きになるまでそんなに時間はかからなかった。
私は優のことが大好きだった。
だから、優に
「付き合ってほしい」
と言われたときはものすごく嬉しかった。


初めてのデートも、初めてのキスも、初めてのセックスも・・・初めての全てが優だった。

優と一緒にいられることが嬉しくて、いつも一緒にいようとしていた。



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