美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
少しして腕をあげていることに疲れてきた。
まだ本調子ではないのだろうか?
もういいや。
このくらい乾いてればもういいかな。と、ドライヤーを止めた。
「いやいやいやいや。まだ乾いてないですよね」
「乾いたよ」
「そんなにすぐに乾くわけないじゃないですか」
「いいドライヤーだから」
「それにしても。ちょっと失礼しますね」
八木君に髪を触れられた。
ドキッと心臓が大きな音を立てた。
「全然乾いてないじゃないですか!」
「手が疲れたんだもん」
「『だもん』じゃないですよ。はい」
八木君は空っぽの手を差し出した。
「はいって何?」
「ドライヤー、貸してください」
「う・・・」
「腕、疲れたんでしょ?」
「う・・・はい」
ドライヤーを持った腕を八木君に伸ばした。
差し出したドライヤーを八木君は受け取った。
ソファーの私が背もたれにしている部分に八木君は移動する。
ちょうど八木君の膝の間に私が入った。
んん?
こ、こ、こ、この位置は! 緊張するヤツだぁ!!!
つい乾かしてもらおうとした自分を呪った。
「フッ」
と鼻で笑う声がした。
ブオオオオオーーーー。
「------ですね」
「え?なに?」
ドライヤーの音でよく聞こえない。
八木君は耳元に顔を寄せて、
「彼氏彼女みたいですね」
と言った。
わざと息がかかるように言ってきたので、振り返って胸をグーで殴っておいた。
「わははははッ」
八木君は楽しそうに笑った。
「八木君、胸筋がカチカチ過ぎて私の手が痛いよ」
自分の手の甲をさすさすと撫でると、八木君も私の手の甲を撫で、
「ありがとうございます。 程よく筋トレしてるんでこう見えて筋肉でカチカチですよ」
と言った。
「・・・ん?カチカチ?」
「そう、カチカチ・・・・・あ!」
「「アイス!!!」」
二人はテーブルに置かれたままの買い物袋に駆け寄った。
頭を強打した時にうっかりして途中で手を止めてしまっていたのだ。
まだ本調子ではないのだろうか?
もういいや。
このくらい乾いてればもういいかな。と、ドライヤーを止めた。
「いやいやいやいや。まだ乾いてないですよね」
「乾いたよ」
「そんなにすぐに乾くわけないじゃないですか」
「いいドライヤーだから」
「それにしても。ちょっと失礼しますね」
八木君に髪を触れられた。
ドキッと心臓が大きな音を立てた。
「全然乾いてないじゃないですか!」
「手が疲れたんだもん」
「『だもん』じゃないですよ。はい」
八木君は空っぽの手を差し出した。
「はいって何?」
「ドライヤー、貸してください」
「う・・・」
「腕、疲れたんでしょ?」
「う・・・はい」
ドライヤーを持った腕を八木君に伸ばした。
差し出したドライヤーを八木君は受け取った。
ソファーの私が背もたれにしている部分に八木君は移動する。
ちょうど八木君の膝の間に私が入った。
んん?
こ、こ、こ、この位置は! 緊張するヤツだぁ!!!
つい乾かしてもらおうとした自分を呪った。
「フッ」
と鼻で笑う声がした。
ブオオオオオーーーー。
「------ですね」
「え?なに?」
ドライヤーの音でよく聞こえない。
八木君は耳元に顔を寄せて、
「彼氏彼女みたいですね」
と言った。
わざと息がかかるように言ってきたので、振り返って胸をグーで殴っておいた。
「わははははッ」
八木君は楽しそうに笑った。
「八木君、胸筋がカチカチ過ぎて私の手が痛いよ」
自分の手の甲をさすさすと撫でると、八木君も私の手の甲を撫で、
「ありがとうございます。 程よく筋トレしてるんでこう見えて筋肉でカチカチですよ」
と言った。
「・・・ん?カチカチ?」
「そう、カチカチ・・・・・あ!」
「「アイス!!!」」
二人はテーブルに置かれたままの買い物袋に駆け寄った。
頭を強打した時にうっかりして途中で手を止めてしまっていたのだ。