美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
第7章

彼女の虜

【side 香坂優子】

翌日。
恙無く仕事をして、12時の昼休憩の時間になった。

事務方はきっちり12時から1時間の休憩をとっていたが、企画部は各自が区切りのいいタイミングで昼休憩をとる。
ちらりと八木君を見ると、ノッているらしく12時過ぎていることにも気付かずにPCを超高速で叩いていた。

一緒に昼ご飯を食べたかったし、まだすることはいろいろあったので、私ももう少し仕事をすることにした。

カチャカチャとキーボードを打っていると、
「香坂さん、ちょっといいですか?」
「香坂さん、お昼ご飯行きませんか?」
「香坂さん」
「香坂さん」
と女性社員が声を掛けにやって来る。
誰だ?
そしてなにごとだ?
不信感を持ちながらも、それを顔に出さないように気をつけながら、
「もう少し仕事をしてから行くのですみません」
「まだ仕事が終わらなくて…すみません」
「すみません」
「すみません」
と謝っていた。

うわああああ!なんなの!?
これじゃ仕事にならないじゃない!!
イライラしていると、ノッて仕事をしていたはずの八木君が声を掛けてきた。
「香坂さん、諦めて昼ご飯に行きませんか?」
「そうね・・・そうしよっか」
机の上を片付けて立ち上がった。

「香坂さん、これからご飯ですか? よかったらご一緒しませんか?」
私が席を立つのを待っていたのか、綺麗なオフィスカジュアルなスタイルの女性3人に囲まれた。
「えっと・・・」
この人達もか・・・。
名前も分からない人達とご飯なんて行くわけもないでしょ?
まあ、そんなことを言えるわけもなく、
「すみません。これからミーティングを兼ねて昼食にする予定なんです」
と申し訳なさそうな顔をしてお断りする。
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