美人の香坂さん、酒は強いが恋愛は最弱
「こうやって座って近くで見てると、お二人ともよく似てますよね」
と八木がをれ達の顔を交互に観察しながら言ってくる。

俺たちは爺さんにだとよく言われていた。
薄い唇の形はがよく似ている。
俺は眼鏡をかけているので気が付かれにくいが、近くで見ると瞳の色がそっくりだ。
少し釣り目のくっきり二重に黒目のおおきな瞳。ふさふさの長い睫。

「似てるでしょ?よく言われるの」
「うん。美男美女」

「そういえば、優子の鼻が高くなったのは俺のおかげだぞ」
「?」
「優子は鼻が低かったんだよ。だから赤ちゃんの頃から暇さえあればこうやって鼻を摘まんでた」
俺は自分の鼻を摘まんで見せた。

「そんなことで高くなるわけないじゃない!」
「いやいや、コレ本当なんだって」





ぎゃいのぎゃいのと言い合う俺たちはとても仲が良く見えるという。
きっと八木はやきもちを焼いていることだろう。

・・・・。
いや、やきもちを焼く余裕はもうなさそうだ。

八木はだんだん瞼が重くなってきているようだった。

ゆらゆらと身体が揺れている。

あ。とうとう目を閉じた。

ついにテーブルに突っ伏して眠ってしまった。


酔いつぶれる前に一言。
「・・・もう1つ・・・似てるところ・・・・・・ひっく・・・この従兄妹・・・・・・・ザル、だ・・・・・ぐーーーーーーー」
と八木はつぶやき、眠りに落ちていった。

よし、勝った。

俺は小さくガッツポーズをした。



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