兄弟の溺愛に堕ちて
言いながら、両手に抱えたノベルティの山を私に見せる。

小さな紙袋やパンフレット、ボールペンやメモ帳――確かにこれを200個となれば、かなりの作業量だ。

「……わかりました。お手伝いします。」

覚悟を決めて答えると、蓮さんが子どものように嬉しそうに笑った。

その笑顔に、不覚にも胸が温かくなった。

ノベルティの袋詰め作業を黙々と進めていると、ふいに会議室の扉が開いた。

「お、やってるな。」と、柔らかな声。

顔を上げると一真さんが立っていた。

「少しだけ手伝うよ。」

そう言って隣に腰を下ろし、器用な手つきでパンフレットとペンを袋に詰め始める。

「どう?仕事あり過ぎ?」

何気ない問いかけなのに、その笑顔にまた心が揺れる。

「いえ、少し残業すれば間に合うくらいなので。」

「そっか。」

短く答えながらも、視線は私から逸れない。気にかけてくれている――私のことを。
< 12 / 106 >

この作品をシェア

pagetop