兄弟の溺愛に堕ちて
低い声と同時に、唇が重なった。

一度、二度。すぐに数えきれなくなるほど、何度も貪るように。

熱が胸の奥にまで広がっていく。

水音は遠くに霞み、世界は蓮さんの体温と吐息だけになる。

彼の手が頬を包み、逃がさないように深く口づけてくる。

「ん……っ」

息がもつれても、すぐに次のキスが落ちる。

――抑えられない。

蓮さんの想いがそのまま伝わってきて、私の心まで一気に飲み込まれていく。

布越しに、胸に手が置かれた。

「ふぁ……っ」

甘い声が勝手に漏れる。その間も蓮さんの唇は私を逃がさず、舌を絡めて貪ってくる。

指先が敏感な場所を撫で、支配して、もう息がもたない。

「んんっ!」

身体が小さく震えた瞬間――シャーッと響いていた水音が止まった。

「……入るか。」

低く掠れた声。

「……うん。」

私はふらつく足で洗面所へ向かった。

衣服を一枚ずつ外すたびに、心臓が早鐘を打つ。
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