兄弟の溺愛に堕ちて
「一人じゃない、俺がいる。」

その一言で、胸の奥に残っていた孤独が崩れ落ちた。

ぐたっと横になる蓮さん。

荒い息遣いで、それでも私を抱きしめてくれる。

熱い体温が、まだ中に残る余韻と混ざり合って、どうしようもなく涙が溢れた。

「これからは、俺達二人だ。」

耳元に落ちる囁きが甘くて、切なくて――。

ポロっと涙が零れた。

私は一真さんの片想いを振り切ってよかったんだ。

今、隣にいるのは蓮さん。

私を抱きしめ、愛してくれる、ただ一人の人。
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