兄弟の溺愛に堕ちて
「美咲、言って。俺を欲しいって……」

すでに身体は湿っていて、拒むことなどできなかった。

「うん……」

かろうじて、それだけを囁く。

「美咲……」

蓮さんの声が低く震えた次の瞬間、我慢できないと彼が私の中に入ってきた。

「……あっ、あっ……!」

蓮さんが動くたびに、快感が波のように押し寄せる。

「蓮さん……」

名前を呼んだ時、彼の手が私の頬を包み、強く見つめてきた。

「美咲、俺を見て。」

視線を絡めた瞬間、胸が痛む。――見つめたいのは、本当は一真さんのはずなのに。

蓮さんの熱と鼓動が、私の奥まで支配していく。

背徳と快楽がないまぜになり、涙がにじむ。

「俺だけを感じて……兄貴のことなんて忘れろ。」

激しい動きに翻弄され、理性は遠のいていく。

忘れられないと知りながら、私はその夜、蓮さんにすがるしかなかった。
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